東京都府中市 不動産売買 「叔母を預かって分かった事」⑪
こんにちは&こんばんは!
Tさんのご自宅の玄関は、今まで見てきた東京のお客様の玄関よりも遥かに広く立派だった。
注文住宅はやはり建売と全く違うなぁとついつい物件調査ばりに見てしまう。
リビングも広く、テレビは映画館のように大きかった。
田舎に住むということは有る意味贅沢なのかも知れない。
家に居る分には不便とか田舎とかどうでも良いんだし。
車さえあって、運転が出来る内は贅沢な暮らしを満喫出来そうだ。
あまりの凄い雨音でふと窓の外を見た。
「丸見えじゃん」
Tさんの自宅リビング窓から叔母の家は丸見え。
3つある部屋が全てTさんの自宅の方に面しており、どの部屋に居て何をやっているか全てお見通しなのだ。
「ここから叔母の家良く見えるんですね・・・・・」
「そうなのよ。外からうちのリビングは全く見えないんだけど、こっちからは良く見えるのよ。だから見てしまうとほっとけなくて。ついつい心配になっちゃうのよ」
「見守られている」とも、「見張られている」とも、微妙だ。
叔母にとってはご近所さんが温かく「見守って」下さったお陰で今まで一人で無事に生活して来られた。
有難かった。感謝しても仕切れない気持ちだった。
正に「遠くの親戚より近くの他人」だ。
「実はあなたに会う前は、どんな人だろうと心配してたんだけど、良い人で安心したわ」
初対面の時やけに勘繰るというか、余所余所しいというか、そんなに感じがしたことに合点がいった。
以前にも同じことを言われたことがある。
田舎の人にとって東京の人は信用できないらしい。
かくいう私も長崎県と宮城県のミックスだが、今や純粋な東京の人なんて殆ど居ない。
田舎からの寄せ集めが東京人だ。
それなのに訝しげに見られているのは不思議だった。
「実はね、隣の奥さんとトラブルがあってね」
Tさんが語り始めた。
「猫の事なんだけどね」
Tさんと私は叔母の家の猫ノミの被害者だから、身を乗り出して聞く。
途中で呼ばれたMさんは知って居るという風に頷いていた。
「叔母ちゃんは自分の飼い猫の他に野良猫にも餌をやっていてね。野良猫がお隣の家の玄関でフンをしてしまったの。お隣の奥さんが怒って叔母ちゃん家の庭にその糞を放ったの。その瞬間を私が見ちゃったから報告したのよ。そしたら、叔母ちゃん警察に通報しちゃって。奥さん警察に取り調べられちゃって。」
「どうして警察に通報したんですか?」
「これからも何をされるか怖いからって」
奥さんの方が心配になってしまった。
警察からは、注意や、ご近所同士仲良くやって下さい程度の助言を受けたのだろうが、被害者は奥さんの方じゃないのか。
そう思っても、叔母の味方2人の前ではとても言えなかった。
掃除を終えた夫もTさんに呼ばれて入ってきた。
ソファーでテレビを見ていたご主人は気を利かせて二階に上がってしまった。
MさんはTさんとは全く違うタイプだが面倒見の良いいかにも良さそうな人だった。
Tさんが電話したら直ぐに飛んで来られた。
滝のように雨が降っているのに。
凄い招集力、団結力、行動力・・・・・・・
田舎って凄いな・・・・・・・
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